【五行説その1 生み出す関係】の続きです。
「生み出す関係」は比較的穏やかな関係ですが、「剋(こく)す関係」は穏やかではありません。穏やかなだけではこの世界は発展しないのです。
木が土に根を張り
土が水を堰き止め
水が火を消し
火が金を溶かし
金は木を切り倒す

この関係を【相剋(そうこく)】と言います。
生み出す関係の【相生(そうしょう)】と比べて穏やかではないですが、お互いが安定して存在するためには必要不可欠な関係です。自分と真逆の性質を持つ五行は、目の上のたんこぶのような頭の上がらない存在であると同時に自分の魅力を引き出してくれる名コーチでもあるのです。そして剋の関係は剋す方も剋される方も消耗し合います。
相生が「増える」関係なら、相剋は「減らす」関係とも言えます。
個人的に好きなのは【反剋(はんこく)】という作用です。
木が斧(金)を刃こぼれさせて
金は火を消し
火は水を蒸発させて
水は土を飲み込み氾濫を起こし
土は木に覆いかぶさる
本来剋される方の力量が上回って、相手を剋す作用です。そう、まさに下剋上。(ちょっと意味が違うけど)ドラマチックな展開です。
傍から見る分にはドラマチックな反剋の作用ですが、これが命式の中にあると少し苦しい。その人が越えなければいけない課題だったりします。
相剋も相生も「ほどほどに」が、安定した世界の第一条件。
それを【中庸(ちゅうよう)】と呼び、四柱推命ではこの五行のバランスが整った状態、【中庸】を良しとします。