四柱推命6 干とは結局なんぞや

前回、陰陽×五行=干(かん)の成り立ちについて書きました。

この「干」というやつは、四柱推命の命式を読むときに「その人の本質」を表す一字として超重要なんですけど、私が読んだ本や受けた講座では「生まれたときに受けた天からの気」という曖昧な説明しかないんですね。まあそもそも占い界隈に明確さを求めた時点で負けみたいなところはあるんですけど。

、結局、干ってなんなん?って話に挑んでみたいと思います。うまく着地できるかわかりません・・・!!

干(甲乙丙丁・・・)にあてがわれている文字はもともとただの記号で、木とか火とかの意味はないんです。階級を表すのに使われていたりするように、元の意味は数字というか順番です。

この干というのは甲から始まって癸の10段階で一周するのですが、これらは日付けとして毎日「今日は甲の日」、「今日は癸の日」、とあてがわれているわけです。

そして、「その人の本質を表す干」というのは「どの干の日生まれか」っていう話で、「甲の日」生まれの人は、「甲」という性格(本質)ですね。ということになります。

つまり、干は順番なので、始まりの甲には始まりの勢いがあり、終わりの癸には終わりは終わりだけど次につながる性質を持つわけです。

じゃあ、その人の本質に作用する干が持つ「気」ってなんなの、ってことなんですけど、私の感覚では、その日の「お天気」です。

気象予報士ではないのでお天気には詳しくないのですが、「温度」「湿度」「風速」「気圧」とか、そういうものの循環を、干は表しているのではないかな、って。

お日様が照って気温が上がって上昇気流が起こって乾燥して、気圧が下がって雨が降る、っていう地球の自然の循環、その時その時の性質を表しているのが甲とか癸とかの「干」です。

(これはちゃんと統計をとったわけではないのですが、私自身「癸」なので癸の日に注目してみると、ああ、今日も雨だ、ということは多いです。)

五行は物事の発生と収束を表す

つまり、木から始まって水で一周する五行の環なんですけど、

木で発生、火で膨張、土で成熟、金で収束、水で終りの始まり

といった「気の変化と循環」を表しているということです。

地球が同じ周期で回続ける限りそこには法則性があり、その影響を受けて季節は廻り、植物は育ち枯れ種を落としていくように、自然の一部である人間もその影響を受けて当然だよね、ということ。

ただ、私たち人間が存在する地球はずっと同じ状態であるわけではなく、昨今の環境問題にあるように「気」に法則性はあっても絶対ではない。我々人間が二酸化炭素を今までにない勢いで吐き出すように、突然発生する「例外的な因子」からの影響もあるだろうし、絶対であったら天気予報は外れない。天災も防げはしなくても避けることはできるはず。

四柱推命をはじめとした「命占」(お誕生日から読む占い)は、そういった目には見えないけど、「夏だから暑いね、冬は寒くて乾燥してるね」という気の影響が生まれた日にどうだったか、というのを基に推命するので、イメージとしては先にも書きましたが「お天気予報」と近いものだと思っています。

だから占いは当たる側面もあるけど、当たらないこともある、という占い師の言い分は詭弁でも虚勢でもなく、「変化し続けているのだから当然」なんですよね。ただ、法則性から予想するに、明日の降水確率は80%で、あなたの頑固度は80%ですよ、みたいな感じです。

で、結局、干ってなんなん?をまとめると、「天の気」に着地します。「法則性のある天の気」ですか。

ただ、人間をはじめ、地球に存在しているものはもれなく「天の気」だけでなく、「地球の気」も受けています。重力に引っ張られ、地面から離れては生きてはいけない。というか重力があるから生きることができる。ラピュタ人もそう言って地球に降りてきたわけです。

じゃあ干が「天の気」だとしたら、「地球の気」は?

「地球の気」、それが「地支」です。

小学生でも知ってる「子丑寅卯・・・」のアレです。

というわけで次回からやっと地支の話。

と、いきたいところなんですが、干の象徴について書いてから「地支」の話は書きたいと思います。

陰陽五行も古くからの思想でそれをベースとした四柱推命などはとても当たるといわれますが、自然哲学である以上、気象学が進化するように、陰陽五行哲学も地球環境の変化に合わせてバージョンアップしていかなければいけないものなのかもしれないですね。